
巷に溢れるオーダースーツは基本的にはフルオーダーではない。
フルオーダーは採寸から型紙を起こして一着一着を縫い上げていき、仮縫いをしてサイズ補正していく。
この工程を簡略化したものがセミオーダーであり、イージーオーダーである。
イージーオーダーは、既存の型紙から体型に合うものを選び縫い上げていく。
型紙は既存のものを使うので完璧なものではない。仮縫いもないので、出来上がった服を補正してより体型に近く服を作り込んでいく。
既存の型紙がピシャリと合えば何の問題もない。ただ合った型紙が見つからないと出来上がった段階でサイズを補正していくしかない。服の出来上がりに一抹の不安が残る。
実際、フルオーダーは高い。押し並べて20万円以上である。
逆に言うと、この価格を切るフルオーダーは考えた方がいい。別の不安があるからだ。
オーダー物の難しいところはその場で完成したものが手に取れないことだ。
だからオーダーなのであるが、やはり最初のオーダーは慎重にならざるを得ない。
セミオーダー、イージーオーダーの流れを簡単にまとめると、
生地を選ぶ
生地のランクで価格が違ってくる。もちろん高級生地ほど高くなる。
形を決める
多くのオーダーサロンではいくつかのバリエーションを揃えている。大別するとイタリア型やイギリス型となる。
ディテールを決める
ボタンの種類。裏地、パンツの裾をシングルかダブルか。タックはどうするのかなど細かい部分を決めていく。
採寸する
体の寸法を測る。

ざっと書くとこんな感じである。
どこでスーツを作っても大体同じようなものであろう。
ここでのポイントは生地選びと形の決め方である。
おしゃれ初心者でなくても生地はどうやって選んだらいいのかわからない人も多いと思う。
いきなりバンチ(生地サンプルを閉じた本のようなもの)を見せられて、どれにするかと言われても迷うばかりだ。
ここは担当してくれるスタッフにとことん聞くか、服に詳しい人と一緒に行くしかない。
生地選びはとてもデリケートもので、間違えると出来上がった服がイメージと違うものになり失敗してしまう。
最初でも生地は化繊の入ってないものを選ぼう。折角のオーダーだから少し値が張ってもいいものを作ること。
高級海外生地ブランド
エルメネジルドゼニア
ロロピアーナ
スキャバル
有名海外生地ブランド
ドーメル
カノニコ
レダ
次に形であるが、自分の体型と好みの形をうまく掛け合わせて、納得のいく服に近づけていきたい。
ちょっとでも不安や違和感があれば、即座に質問すること。素人なのだからいろいろなことが分からなくて当然だ。
もし、形で迷ったらイタリア型のものを推奨する。今はどちらかというと、柔らかな着心地とスタイルがカッコがいいとされているからである。
ディテール
裾上げはダブルで、裾幅4センチから4.5センチ。シングルの方がよりフォーマルに近い。
袖口は本切羽。ボタンは重ねボタン。襟型はノッチドラペル。
ボタンはプラスチックは避け、水牛にする。
裏地は派手にさせずに、表地と同色のものを選ぶ。素材はキャプラ。
これくらい知っていればよい。この機会にぜひオーダーしてみたらどうだろうか。
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