ファッションにおける“サイズ感”とは何か?
ファッションにおいて「サイズ感」という言葉がよく使われます。特にドレスファッションにおいては欠かせない要素となります。
これはただの大きさを表す「サイズ」ではなく、服が体にどうフィットしているかを判断する基準となる言葉です。
最近はオーバーサイズの服が流行していますが、私たち50代60代のシニアが取り入れる必要はほぼないでしょう。ある程度の年齢層ならば流行を取り入れて、着こなすこともあります。
しかし、この流行なるものの取り入れ方を間違えると、とてもみっともないファッションになってしまうことを付け加えておきます。
良くある程度の流行を効かせた着こなしということが言われていますが、実際にそれをどう組み立てるかを考えるのは難しいことです。
「サイズ感」という言葉で表される感覚は、着ている本人は合っているかどうかの区別がはっきりしないがため、結局どうなの? という疑問が残ります。
そこで、適切なサイズということをより具体的に考えてみたいと思います。
ジャケットのサイズの合わせ方
ジャケット、上着で言えば、最初に肩幅を合わせます。
なぜか? 答えは簡単です。服の肩周りの補正はほぼ効かないからです。
袖丈、ウエスト、着丈など、服の端を摘んだり短くしたり長くしたり、幅の修正ならば可能なことも肩周りだけはできないと思ください。
だから、服の肩幅と自分の肩を一致させることが肝心なのです。
上着が体に沿っていることからも、下に着るシャツなども体に沿ったミニマルなもののほうが上着に響かず格好良く着ることができます。
シャツがオーバーサイズで、大きかったらどうなるでしょうか?
ピッタリとジャストフィットした上着ならば、袖口、胸囲周りが、窮屈に感じられることでしょう。さらにシャツにいらない皺も付いてしまいます。
また、これからは背抜き(裏地を張っていない)の上着が当たり前になるので、下に着るシャツのサイズが合っていないと、上着そのものに皺が寄って、きれいなシルエットを描けなくなってしまいます。
サイズ感を確かめるならば、正面から見た上着またはスーツだけでなく、背面、後ろ姿を見ることが大切です。
姿見は正面から自分の全身を映すことができます。しかし、背面はできません。
本当に信頼のおけるショップやテーラーならば背面が確認できる姿見が置いてありますので、上着、スーツがどのくらい体に沿っているかを簡単に確認できます。
体にピッタリと吸い付くような感覚を、服を着たときに感じられるようなものが本当にサイズが合っているジャストサイズとなのです。
これらの話は決してオーダーだからとか、既製服だからだとかということではなく、ドレスファッションのアイテムすべてに言えることです。


ボトムスは裾幅と裾丈が生命線となる!
また、ボトムスで肝心なのは裾丈の長さです。これを間違えるととてもみっともない装いになってしまいます。
この裾丈の長さはボトムスの裾幅に比例すると考えていいでしょう。
裾幅が短ければ(裾が細い)裾丈も短くてもOKです。だいたい20センチ以下の裾幅の場合は裾丈は、ハーフクッションが適正です。
裾幅が広がれば、裾丈を長く取っても大丈夫です。でもワンクッションまでにしておくことがいいでしょう。

メンズドレスファッションの再定義をする
早足で上着とボトムスの見極め方を見てきました。
ここで、もう一度私たちが求めているドレスファッションはどんなものなのかを振り返ってみたいと思います。
単純に「お洒落さ」という言葉を多用していますが、ことドレスファッションにおいては、煌びやかとか、格好いい、イケてるというよりも、端正で優美で洗練されて
いて上品であることを指します。このような着こなしは大人の所作にも現れてきます。
「こんな着こなしをしているのだから、節度をわきまえた振る舞いをしなくては」と。
ファッションが人の行動を左右するほどの影響力があることをもう一度、心に刻み込んでおいてください。
人を以て鑑と為す
他人の着こなしを見て思うことはたくさんあります。
「変な格好をしている」「ダサい」「汚い」「貧相」「田舎っぽい」「ヤバっ!」…。
しかし、残念ながら私たちも他人からはこんなふうに見られている可能性があるのです。
人は他者の欠点探しが好きです。ああでもない。こうでもないと人のあら探しは尽きることがありません。
「人を以て鑑と為す」。いいも悪いもすべてを納得したうえで、自分の行動を改めてみる。
具体的に言えば、「あんなふうなファッションはしたくない」という明確な意志を持つこともファッションをズラさない一つの方法てす。
さらにもっと言うならば、ファッションそのものを学ぶことです。方法はいくつかあります。
ショップに行ってじかに服に触れる。ネットで情報を得る。雑誌や本を読む。
ただ気をつけなくてはいけないのは、そもそもこれらの情報ソースを自体が間違っている場合です。
みなさんがファッションで失敗する多くの原因はここかもしれません。
前回の記事にも書いたように誤った情報でファッションを語る人はたくさんいます。彼らに靡いては駄目です。
それはみなさんが知らないことをいいことに誤った案内をするからです。
何はともあれ、できることをしていきましょう。足を使ってショップに回りするなり、マンウォッチングして他人のファッションをチャックしみる。
結構、意識してやってみると、周りの風景が変わって見えてきますよ。
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